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母のようなお母さんに……

  • 2018年8月14日
  • 日常
  • 6件

実はもう2週間ほど前の出来事ですが、とても心に響く事がありました。
今日はそのお話を書かせて頂きます
本当は前々回の記事『キラキラ?ギラギラ☆』を書いた後に、少し前まで気持ちが沈んでいた理由として、続けて書かせて頂くつもりだった内容です。
子供の夏休み期間は何故か忙しくて間が空いてしまいました

ある夜、子供達を寝かせている時の事です。
上の娘(小学2年生)は5分で寝るタイプですが、下の娘(年中さん)は、とにかくなかなか寝てくれません。
ですので私は、上の娘は寝た気配、下の娘がまだ起きている気配を感じながら薄暗い天井を見つめて考え事をしていました。
そしてふと、頭に浮かんだ想いを口に出しました。
下の娘がまだ起きているのは分かっていたので。
天上を見ながらでしたが、隣で横になっている下の娘に話しかけるように言いました。
「今日は約束を破ってごめんね。ママは本当はいつだってマイちゃん(下の娘)と一緒にいたいんだよ……」

なぜそんな言葉が出たかと申しますと、実はその日は平日でしたが休みをとっており、本当は子供達と遊ぶ約束をたくさんしていたのです。
それなのに急な用事が入り果たせなかったから。
特に楽しみにしていた下の娘に申し訳なかった。
加えて、その日の出来事が頭の中で渦巻いており、そんな言葉が口を割って出てきたのでした。

その日、土日が休めず平日に休みをとる主人に合わせて私も仕事の休みをとっておりました。
続く暑さに夏バテ気味でしたので、家族皆休みと言えども出かける予定は立てていませんでしたが、その代わりに家で出来る事をする約束でした。
お菓子作りをする、製作をする、映画館ごっこをする等々。
ですが、急に外せない用事が出来てしまい、私だけ出かける事になったのです。

その急な予定とは、母に会いに行くことでした。
父からものすごい勢いで頼み込まれたのです。
「お母さんを病院に連れて行ってくれ」と。

母は私の家から二時間程離れた実家で、姉や父と暮らしています。
母は最近、とても忘れっぽいのです。
年をとれば皆、忘れっぽくはなる。
母はそのレベルを超え始めている…要するに認知症の傾向だと。私は認めたくないのですが、父や姉はしきりにそう言っています。
母を病院に連れて行ってくれと言い始めた父の話では、最近特に酷くなっているのだとか。
元気はないし、部屋から出てこない。声をかけないと食事もしない。というか、食事を忘れてしまうようだと。
だから母を病院に連れて行ってくれというのです。

私が母に最後に会ったのは6月後半。
肋骨骨折と風邪のダブルパンチで完全にダウンした際、手伝いに来てくれた時です。
確かに痩せてしまっていましたが。忘れっぽいのもありましたが。元気に振る舞ってくれていました。
それから1ヶ月程しか経っていません。
父が言う程に“悪い”のか。疑問でした。
加えて、今は離れて暮らす私が、突然病院に行こうと言うのは的確だと思えませんでした。
なので、先ずはランチに誘いました。
仕事の休みが取れたのだけれど、上の娘が夏休みに入ると忙しくなるので、その前に久々にゆっくりランチでもしようと誘いました。

会ってみると母は思ったより元気でした。
むしろちょうどその時、副鼻腔炎になり始めていた私の方が調子が悪かったくらいです
歩く速度、階段の上り下り、母もいい年齢になったのだなと感じる瞬間は多々ありましたが、年のわりに元気に歩いている方だと思います。
忘れっぽさに関しても、確かに、この前話した事を忘れていたり、それ何度も聞いたなぁという話をしていましたが。
別に良いと思える範囲です。
私は聞かれれば何度だって同じ話をするし、何度だって母の話を聞くし…
今はまだ大丈夫だと思う。そんな感覚でした。

ここ最近に限ってではなく、近年母はとても痩せたので、その件について、病院に行ってみたら?という話もしましたが、案の定、あっさり断られました。
母は大の病院嫌いなのです。
結局私は、病院に行こうという話からは離れ、母が家にひきこもらず外に向かうように。それを促すような話をしてきました。

まあ、色々考えさせられる事もありましたが。久々に子供達を抜きで母と二人のランチですから。
とても楽しくて。色々な話をし、あっという間に時が過ぎました。

私は母が大好きです。
皆さんも自分の母親が大好きだと思いますが、私も家族の中で一番特別な存在。
一番大好きで、一番尊敬する人です。
うちは父が私が成人するくらいまで、年に1、2回しか家に帰ってこない日々でしたし。
8歳離れていた姉も、やはり家にはあまり居ませんでしたから。
私は母と二人で過ごしてきた感覚が強いのです。
身内の事を悪く言うのは嫌なので多くは語れませんが、“あまり帰ってこなかった”父や姉は、それぞれ強烈な個性と生き方をしています。
家の中で父と姉が会ってしまうと大変な事が起こる。
私の小さな頃はそんな空気でした。
だから、帰ってこないくらいが平和。
お正月に全員揃う期間がありましたが、その短い間だけだから我慢してそれなりに仲良くできる。
そういう時期がずっと続いていました。

私が成人した頃、家を建て替えたのをきっかけに、父がほぼ毎週末に帰ってくるようになりました。
昔程の派手な喧嘩は減りましたが、やはり父と姉の衝突は起こります。
物理的な暴力はありません。
「じゃあオレを殺せ!」「嫌だね!そんな罪を犯すなんてごめんだね!」ですから。手は出ません。
ただ、手こそ出ないものの、そこがどんなに辛い言葉が飛び交う空間になるか。
その場に居合わせる事がどれ程のストレスになるか。私はよく分かっています。
どれだけ悲しい気持ちになるか分かっています。
考えただけで苦しくなるくらいです。
私や母は衝突を避けようとするタイプですが、結局止めようとしても、とばっちりを受けるのです。特に母が。
いつの間にか何故か母が責められる側にまわる事も多いです。

母にとって、そんな状況は決してよくない。
認知症について考えたって、とてもよくない。
そうゆう空間を作りがちな父も姉は、お互い、母を苦しめている原因を相手のせいにします。
もう自分も悪いと分かっているのに。
二人ともなかなか変われないのです。

私はそんな実家の状態がよく分かっているのに。
それなのに、結婚して、その空間に母だけを残して家を出てしまった……
母とランチをした帰り、私はどうしようもない罪悪感に駆られました。
母と会ったのは楽しかったのに。
別れた後、ものすごい罪悪感で、とてもとても悲しくなりました。

実は母には一緒に住まないかと話した事もあります。
主人は理解ある人なので、主人の方から母も一緒に住まないかと言ってくれているのです。
その日、ランチをした時も、明るい雰囲気で、でもしっかり伝えました。
一緒に住まない?と。
ですが、すぐに断られました。
いつもお礼と共に断られます。
母は母で、父や姉を残して家を出れないと思っているのでしょう。
そして住み慣れた地を離れるのも望んでいないようです。
この日もいつもと同じ。
結局私の実家の状況は、昔から何も変わっていない。
私が抜けたせいで、母をフォローする人がいなくなっている……
私は、自分が結婚した事に罪悪感を覚える程に、母の事で頭がいっぱいになっていました。

そんな日の夜、子供達を寝かせながら下の娘に言った言葉。
「今日は約束を破ってごめんね。ママは本当はいつだってマイちゃんと一緒にいたいんだよ……」
私はもちろん娘と一緒にいたいという気持ちも込めていましたが、母と一緒にいたいという気持ちも重ねながら口にしてしまっていました。

娘にはどんな風に伝わっていたのでしょう……
娘が突然泣き始めまして。言ったのです。
「マイちゃんだってママと一緒にいたいんだよ。でもね、保育園行く時とかさ。ずっと一緒に行ってるでしょ?」

「マイちゃんだってママと一緒にいたいんだよ」
これは、その日一緒に過ごせなかった事。日頃仕事の為、保育園に通ってもらっている事から考えて理解できる応答だったのですが。
「でもね、保育園行く時とかさ。ずっと一緒に行ってるでしょ?」という部分。
保育園への行き帰りというのは、上の娘もいない、下の娘と二人きりの時間なのです。
1日の中で僅かにすぎない二人だけの時間。
その時間をあえて口にした娘。
何故、語尾が上がったのか?何故、泣いていたのか?
色々思うところはあるのですが。
私は下の娘の言葉に、だからママもずっと一緒じゃなくても我慢してねと言われているような感じがしたのです。
私の都合のよい解釈なのかもしれませんが……
この日、とても沈んでいた私の心にはぐっとくるものがありました。
娘に叱咤激励されたような感覚でした。

不思議ですね……
結婚してはいけなかったのかもしれないとまで考えていた私は、なんてバカで弱いんだろうと思いました。
娘にとっては私が、お母さんなのです。
私が母のようなお母さんになる。
それが私の目標であり使命であり、そしてそれこそ、母が私に望む事でしょう……

ただ沈んでるだけでは何ひとつ改善されないのですよね。
今はお母さんでもある、母の娘な私。
役目を見失わずに、出来ることを探していく。
それしかないのでしょう。

辛い時、うっかり忘れてしまいそうになるので。
深く深く心に留めておかなければと思いました。

◆追記◆
なんだか父や姉の事ばかり悪く書いてしまったようで。とても申し訳ない気分になりました
本当は二人とも優しい面もたくさんありますし、魅力ある人物で……私にとって大切な家族です。
二人ばかりが悪いわけでもありません。

私は今まで真剣なシーンで二人と向き合うのが怖くて逃げてばかりいたのですよね……
だからきっと罪悪感を感じるのでしょう
これこらもっと家族と向き合わなくてはならない時はやってくると思うので。
強くならなくては、優しくならなくては、と思います。

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